翠=MIDORI

翠=MIDORI:
生命を描き、未来を創る。

アーティスト「翠=MIDORI」は、幼少期より生物の愛らしさに魅了され、その姿を描き続けてきました。彼女の作品は、「翠」という漢字が持つ意味《豊穣・生命・再生》を具現化したもの。生き物の持つ魅力に深く共鳴し、その生命力や繊細な美しさを表現しています。また「翠」は翡翠(ひすい)をも意味しています。自然の石に美を見出し、縄文時代から日本では装飾品や権威の象徴として用いられてきました。そうした日本古来の自然美への敬意が、MIDORIの創作哲学の根幹を成しており、すべての作品に静かに息づいています。
一方、装飾性と機能性を兼ね備えた日本の金属工芸は、古代よりわが国の美術史を彩ってきました。そこに現代の視点を加えた翠の作品は、伝統と現代、アートと工業、静と動が交差する場所に立っています。

MIDORIの作品は、生命や自然の美しさをテーマに、日本人が培ってきた感性と現代の技術力の融合によって生まれます。半永久的な耐久性と美しさを兼ね備えたステンレスを、日本が誇る最先端技術で加工。高度な表面処理を施し、金属の質感を最大限に活かした作品が特徴です。一般的にステンレスは、無機質な素材と認識されがちですが、実際は地球の鉱物であるニッケルとクロムから作られます。日本には、ニッケルの多くがニューカレドニアから供給されており、ステンレスという素材は地球の大きな循環の一部でもあるのです。自然由来の硬質な素材と超絶技巧が生み出す作品は、自然界の力強さと繊細さを宿し、見る者に深い感動を与えるでしょう。

『鳳凰』

伝統技術と独自の芸術的アプローチが融合した『鳳凰』は、今にも羽をはばたかせ、飛び立ちそうな躍動感に満ちています。テーマは、「未完の美」「未来への飛翔」。鳳凰は、鳳(雄)と凰(雌)が揃ってこそ完全な存在とされていますが、あえて鳳のみを制作することで「まだ見ぬ凰を求める旅」を表現しています。凰の存在を感じさせる余白こそが本作の核心であり、対となる凰がこの世のどこかにいると鑑賞者に想像させます。
また鳳凰が飛び立つとき、世界は調和に満ちるといわれます。しかし、もし鳳だけが飛び立ったとしたら、凰を求めて鳳はより強く飛び続けるのではないか――。そんな想いから、本作には「先駆者」「孤高の飛翔」「まだ見ぬ未来への挑戦」といった意味も込められています。

谷口 翠(Midori Taniguchi)

1988年生まれ。幼少期に祖父が営む精密金属加工工場で、ステンレス特有の光沢の美しさに出合う。一方で自然や生物の美しさに惹かれ、観察力を活かした表現を追求。高校進学に合わせて本格的に美術の道を志し、作品作りに取り組む。その後、技術と感性にさらに磨きをかけるべく、プロダクトデザイナーの吉田眞紀氏に師事し、デザインの基礎から高度な技まで学ぶ。思い描いたイメージを金属で表現する術を習得し、ステンレスを使った創作活動を始める。「生命の美しさを永遠に輝かせる」をテーマに掲げる作品は、自身の感性と日本の精密金属加工技術が融合し、独自の世界を創り上げている。近年は、世界的人気ゲームのキャラクターデザインを手がけた画家・天野喜孝氏や、磁器の名門リヤドロジャパンとコラボレーションするなど活動の幅を広げている。

作品のご依頼について

「翠=MIDORI」の世界観に幅広く触れていただけるよう、作品のご依頼も承ります。ご興味をお持ちくださった方は、以下のフォームからお問い合わせください。メディア関係者様の取材依頼なども、こちらのフォームをご利用ください。

  • お名前
  • 会社名(任意)
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • お問い合わせ内容
  • メッセージ